交流回路とは

交流回路とは交流電流が流れる電気回路のことであり、この交流電流は時間とともに方向や大きさが周期的に変化します。抵抗、インダクタンス(L)、さらには静電容量(C)などの要素から構成され、これらの要素の組み合わせによりさまざまな特性を持つ交流回路を設計することができます。

このカテゴリーではこの交流回路について考察していきます。

インダクタンス

図のようなコイルに電流を流した際、電流の変化が誘導起電力となって表れる性質になります。

単位はヘンリーを用い、コイルにて電圧を変換するときの重要なパラメータ変数になります。

を角速度としてを交流の周波数として表します。この時インダクタンスは円周率を使って次のように表します。

そして図のようなインダクタンスのみの交流回路では実効値の交流電圧とそこに流れる電流の間には次のような関係式が成り立ちます。

ベクトルで表す場合、インダクタンスがある時での交流回路では電流は電圧に対しての分だけ位相が遅れます。ベクトル図では遅れる場合は時計回りに、進みの場合は反時計回りになります。

インピーダンス

インピーダンスとは交流回路を流れる抵抗を意味し、一般的にで表します。

上図のような交流回路において抵抗は次のような表現になります。

実効値のを加えると流れる電流に関しては次のような関係に式になります。

また先ほどのインダクタンスにおいて出てきたベクトル図に関して抵抗のみの交流回路では電流と電圧の関係は同方向のベクトル関係になります。

静電容量ファラド

静電容量（capacitance）とは、電気回路においてコンデンサなどの導体にいくらの電荷が蓄えることができるかを示す能力の量であり、単位はファラド(F)で表されます。

この静電容量（ファラド）に関してはを使って以下のような関係式が成り立ちます。

上記式中において、以下に示す部分、

これを容量リアクタンスとして、で表します。

上記のような静電容量だけの回路を考えます。

この時、電流は電圧に対してだけ進み、進む場合は反時計回りになります。