サブネットマスク


サブネットマスクの計算

サブネットマスクとは、IPアドレスのネットワークアドレスとホストアドレスを識別するための数値で、このサブネットマスクを使うことによってネットワークを細分化して効率よく使用することが可能になります。

サブネットマスクを使うことによって、ネットワークアドレスを細分化して分割することができます。
例えば、クラスCに属する次のようなアドレス【192. 168. 1. 0~255】というアドレス空間を、サブネットマスクを使って分割します。

クラス

IPアドレス

IPアドレス

192

11000000

ネットワーク

168

101010000

ネットワーク

1

00000001

ネットワーク

33

00100001

ホスト

サブネットマスク

255

11111111

255

11111111

255

11111111

224

11100000

サブネットマスクによるIPアドレスの分割は、2進数表示だと理解が簡単になります。
下のテーブルをよく見てみましょう。IPアドレスはサブネットマスクの1の部分が「ネットワークアドレス」、0の部分が「ホストアドレス」になります。したがってサブネットマスクを「255. 255. 255. 224」とすれば第4オクテッドの上の3ビットがサブネットビットになり、それ以下の下5ビットがホストアドレスになります。

例)テーブル1-2

IPアドレス(10進法)

192.

168.

1.

33

クラスC

IPアドレス(2進法) 11000000 10101000 00000001 00100001
サブネットマスク(10進法)

255

255

255

224

(/27)

サブネットマスク(2進法) 11111111 11111111 11111111 11100000

テーブル1-2においては、第4オクテッドの3ビットをサブネットマスクでネットワークを拡張しているので、この4ビットを自由に入れ替えたIPアドレスがサブネットアドレスになります。つまりこのサブネットアドレスが違うIPアドレス同士では通信を行うことができません。

線で囲んでみると、以下のようになっています。

サブネットの組み合わせとしては以下のようになります

サブネットマスクのビットをすべて並び替えた数がサブネットアドレスとなります

サブネットアドレス
使用できるIPアドレス
ブロードキャストアドレス
11100000 = 224
デフォルトでは使用不可
デフォルトでは使用不可
11000000 = 192
192.168.1.193 ~ 192.168.1.222
192.168.1.223
10100000 = 160
192. 168. 1. 161~ 192. 168. 1. 190
192. 168. 1. 191
10000000 = 128
192. 168. 1. 129~ 192. 168. 1. 158
192. 168. 1. 159
01100000 = 96
192. 168. 1. 97~ 192. 168. 1. 126
192. 168. 1. 127
01000000 = 64
192. 168. 1. 65~ 192. 168. 1. 94
192. 168. 1. 95
00100000 = 32
192. 168. 1. 33~ 192. 168. 1. 62
192. 168. 1. 63
00000000 = 0
デフォルトでは使用不可
デフォルトでは使用不可
通常サブネットアドレスはすべて0と1が使用できません。しかしゼロサブネットと記載があれば使用できます。

上記のIPアドレス192. 168. 1. 33の場合、第4オクテッドの33は32番台のサブネットに当たります。 また、前述のサブネットのテーブル表を見ればわかるように、その組み合わせは、ホスト部がすべて0の場合はサブネットアドレスとなり使用できません。ホスト部がすべて1の場合はブロードキャストアドレスというアドレスに割り当てられており、このアドレスもまたホストのIPアドレスとして使用できません。

00100000 = 32

ホストアドレスがすべて0なのでサブネットアドレスとなります。

00111111 = 63

ホストアドレスがすべて1なのでブロードキャストアドレスとなります。

サブネットアドレスが異なるIPアドレス同士では通信ができない

サブネットマスク計算の変換

サブネットマスクの計算には以下の変換を記憶しておくと便利です

2進数
10進数
10000000
128
11000000
192
11100000
224
11110000
240
11111000
248
11111100
252
11111110
254
11111111
255
17 18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31 32
128 192 224 240 248 252 254 255
128 64 32 16

サブネット化の例

一つのクラスBのアドレスにおいて、各サブネットにつき60個のIPアドレスを確保できるようにする場合

クラスBのアドレスにおいてホスト部はデフォルトで16ビットほどあるので、この場合においてサブネット化する場合は60個の以上のホストアドレスを確保できるだけのビット数を残して、それ以外のビットをサブネット作成用に借用します。

その数は、

となります。

したがって従来の16ビットマスクにおいて、10ビット分を拡張した26ビットマスクになります。

ゆえに適用するサブネットマスクは255. 255. 255. 192になります。

サブネットの求め方

例として次のような設定を考えます。

IPアドレス
172.32.2.3
デフォルトゲートウェイ
172.32.2.1
ブロードキャストアドレス
172.32.3.255
この設定におけるサブネットマスクを求める手順

まず2進数に変換します

IPアドレス10101100001000000000001000000011
デフォルトゲートウェイ10101100001000000000001000000001
ブロードキャストアドレス10101100001000000000001111111111

のテーブル表から、

図の線を引いた第3オクテッド部分においての7bit目までがマスクになります。

11111111
11111111
11111110
00000000
255
255
254
0

求めるサブネットマスクは、

またこの導き出したサブネットとIPアドレスによりネットワークアドレスが次のように求まります。

IPアドレス

10101100

00100000

00000010

00000011

掛け算の意味→

サブネットマスク

11111111

11111111

11111110

00000000

ネットワークアドレス

10101100

00100000

00000010

00000000

10進数のネットワークアドレス

172

32

2

0

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