RIP(Routing Information Protocol)
前の2つのセクションにおいて設定したスタティックルートまたはデフォルトルートは、それのみのネットワーク構築というのは実際はあまりありません。
このセクションで設定するRIP(Routing Information Protocol)というのはダイナミックルーティングと呼ばれるもので、このダイナミックルーティングはルーティングテーブルが更新され、ネットワーク内のすべてのルータがルーティング情報を共有します。
またIPなどのルーテッドプロトコルはインターネットワーク内においてユーザデータを送ることができ、さらにこのダイナミックルーティングは小規模から中規模のネットワーク構築において適しています。
RIPルーティングを設定するにはrouter ripコマンドを使って設定を行います。
router ripコマンドによってプロトコルを有効にしてRIPルーティングプロトコルに通知対象のネットワークを指示します。
これからRIPの設定にはいりますが他に設定したルーティングなどがありましたらそれらを削除します。
先ほどのセクションのデフォルトルーティングおよびスタティックルーティングが設定されている場合は次のように入力してデフォルトルートおよびスタティックルートのルーティングテーブルを削除します。
RouterAでのデフォルトルートの削除
RouterA# config termianl RouterA(config)# no ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 172.16.20.1 RouterA(config)# exit
RouterCでのデフォルトルートの削除
RouterC# config termianl RouterC(config)# no ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 172.16.30.1 RouterC(config)# exit
RouterBでのスタティックルートの削除
RouterB# config terminal RouterB(config)# no ip route 172.16.40.0 255.255.255.0 172.16.20.2 RouterB(config)# no ip route 172.16.50.0 255.255.255.0 172.16.30.2 RouterB(config)# exit RouterB#
削除が終わったらshow ip routeコマンドでルーティングテーブルを表示させ、ルーティングテーブルには直接接続されているネットワークのみになっていることを確認します。
RIPの設定
RIPの設定にはrouter ripコマンドとnetworkコマンドを使用します。
それぞれのRouterにおいてRIPルーティングを設定します。
RouterAでのRIPの設定
RouterA# config terminal RouterA(config)# router rip RouterA(config-router)# network 172.16.0.0 RouterA(config-router)#^Z
RouteBでのRIPの設定
RouterB# config terminal RouterB(config)# router rip RouterB(config-router)# network 172.16.0.0 RouterB(config-router)#^Z
RouteCでのRIPの設定
RouterC# config terminal RouterC(config)# router rip RouterC(config-router)# network 172.16.0.0 RouterC(config-router)#^Z
RIP(ダイナミックルーティング)は小規模なネットワーク構築に適しており、クラスフルルーティングのネットワークアドレスが設定されクラスフルバウンダリを使用します。
上記の設定においてはクラスBのネットワーク172.16.0.0でサブネットは、24ビットを使いますので3番目のオクテッドはサブネットに使用し、4番目のオクテッドは各サブネットのホストアドレスに使用されます。
RIPルーティングの確認
設定したRIPルーティングを確認するにはshow ip routeコマンドを使用します。
それぞれのRouterにおいて確認をしてみましょう。
RouterA# show ip route
RouterB# show ip route
RouterC# show ip route
表示されている“R”はRIPルーティングプロトコルがダイナミックでルーティングテーブルに追加されたことを意味し、“C”は直接接続されたネットワークを示しています。
上図の設定においては3つのRIPルーティングと2つの直接接続されたルートがあることを確認してみましょう。
debug ip routeコマンド
このコマンドはルータのインターフェイス上にルーティングの更新の送受信がされるたびにそれらをコンソールセッションに送るというものです。
次のように打ち込みます。
RouterA# debug ip rip
no debug ip ripコマンド
デバックを止めるにはno debug ip rip または undebug allコマンドを使用します。
RouterA# no debug ip rip
show ip protocolsコマンド
ルーティングプロトコルタイマーの確認に使われます。
RouterA# show ip protocols
RIPのタイマーはデフォルト設定では30秒になっています。
アドミニストレーティブディスタンスはデフォルト設定では120秒になります。
RIPv2
RIPv2の設定
RouterAでの設定
RouterAからRIPv2の設定を行います。
RouterA# config terminal RouterA(config)# router rip RouterA(config-router)# version 2 RouterA(config-router)# ^z
RouterBでの設定
RouterBからのversion 2の設定をしてRIPルーティングを開始させます。
RouterB# config terminal RouterB(config)# router rip RouterB(config-router)# version 2 RouterB(config-router)# ^Z
RouterCでの設定
RouterCからのversion 2の設定をしてRIPルーティングを開始させます。
RouterC# config terminal RouterC(config)# router rip RouterC(config-router)# version 2 RouterC(config-router)# ^Z
RIPv2の確認
ここでの新しい機能はVLSMのサポートになります。
“R”はRIPルーティングプロトコルを使用し、ダイナミックに追加されたネットワークを示しています。
“C”は直接接続されたネットワークを示します。
先ほどのRIPv1の設定において、この一連の設定を行わない場合ルーティングテーブルはversion 1のときと変化がありませんのでRouterB,Cでshouw ip routeを使用してルーティングテーブルを設定します。
RouterB# show ip route
RouterC# show ip route
RouterAでdebug ip ripコマンドを使います。これを設定することによりインターフェイス上のルーティングの更新が受信されるたびにコンソールセッションに送ります。
RouterA# debug ip rip
このデバックを止めるにはno debug ip rip または undebug allコマンドを使用します。
RouterA# no debug ip rip
ルーティングプロトコルタイマーの確認
ルーティングプロトコルタイマーを確認するにはshow ip protocolsコマンドを使って確認します。
RouterA# show ip protocols
RIPはデフォルトで30秒ごとに更新情報を送信し、アドミニストレーティブディスタンスはデフォルト設定では120秒になります。
RIPv1とRIPv2は同じタイマーを使用します。
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